相続と法律

相続とは、自然人の財産上の権利義務を、その者の死後に、特定の者に承継させることです。この承継のルールについて、わが国では民法で定めています。
旧民法は「家」制度を基調としており、戸主の法的地位の継承を主眼とした身分法でしたが、現行民法は私有財産の取得方法について定めた財産法として位置づけられます。
旧民法では、「家」を存続させる必要性から相続人を広範囲に求めていました。現行民法では、範囲を配偶者、子(代襲者としての孫、その他の直系卑属を含む)、直系尊属、兄弟姉妹(代襲者としての甥姪を含む)に限定しています。また、配偶者は常に相続人ですが、血族には優先順位がつけられており、その上位者だけに権利があります。
承継されるべき財産について、資産よりも負債のほうが多い場合もあれば、資産と負債のどちらが多いのか不明の場合もあります。その際に、相続人の不利益を回避する制度として、承認および放棄の制度が定められえています。
死後における自己の私有財産の処分について、意思表示する方法として遺言があり、民法では遺言についても、方式、効力、無効、取消、遺贈などについて定めています。
所有権絶対と契約自由の原則からすれば、私有財産の処分については、国家は介入できないのでありますから、遺言についても尊重されるべきです。しかしながら、全面的にこれを認めると、遺族の財産的基礎が破壊されるおそれもあります。そこで、個人の意思の尊重と遺族の生活保障を調整するものとして、遺留分についても定めがあります。

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